一年365日。バイクのことしか 考えられない自分が、ときどき嫌になります。 |
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松澤 清隆 カワサキプロショップM社長 26年前、愛媛県松山市に10坪の店で開業。 順調に業績を伸ばし、愛媛で一番のKawasaki専門店としての実績を積み重ねる。 100坪を誇る保免店(カワサキプロショップMジャパン)を中心に四国のカワサキファンに安心と楽しさを 提供し続けている。 |
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ダメですねぇ。ちょっとおかしいんですよ。 自分でもこれほど仕事人間だとは思わなかった。 |
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趣味でスキューバをやるんですよ。宇和島とか高知の海も綺麗ですしねぇ。 海に潜って底の砂にね、一体となって沈んでるんですよ。 そうして海の中に同化して風景に溶け込んでしまう。 これはストレス解消になるはずなんですが、そんな時に「そうそう、週末は納車整備が立て込むなぁ」とか「山田さんのクレーム、どう処理しようかなぁ」なんて考えてしまいます。フッと、仕事が浮かんでくるんですよ。 新婚旅行で南の島で若い新妻とロマンチックに過ごしている時に、美しい星空を見て煙草をフ〜っとふかした瞬間、「そうだ!来月のツーリングはどこどこがいい…」なんてことも考えてしまう。 結局ストレス解消をしてくれるのは、バイクと仕事だけなんですかね? 53歳にもなると、これはちょっと寂しいような気もしますが。 |
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37年間もバイクと付き合ってきました。 いやいや正面からぶつかってきました。 |
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高校の時からアルバイトでバイクの整備をしてましてね。 お給料がなかったから、あれはボランティアっていうのでしょうね。 高校を出てモーターサイクルの会社に入った。そこで整備士としてとにかくよく働いた。 たまたま不況の時代だったから後輩が入ってこない。あれもこれも僕ひとりで仕事をする。 いい面ではいろんな仕事ができて、後で役立ったなぁ。 会社ってどこでもそうだけれど、学歴社会だと思う。 僕は工業高校なもので、そのまま整備士なんですね。 そのために営業職や他のことをさせてもらえなかった。 それが反骨精神をかき立てる結果になったのでしょうね。 10年間の会社勤めからメーカーの薦めでのれん分け制度で独立したんですよ。 メーカーは僕の親みたいな存在だから親に感謝し助け助けてもらいいい関係でほんとに感謝感謝ですよ。 ありがとうございました。 厳しいことも尻を叩かれることも正直きついと思ったことはありましたけど、いつも最終的にはありがたいと思っていました。 それと もちろんお客様にも大感謝ですね。 もともと困っている人を助けてあげることに生きがいを感じていく性分なので、お客様から『ありがとう』と言われると、『こちらこそいつもありがとうございます』と言いますし 心の中で感謝、ありがとうございましたという感じですね。 いやぁとにかく頑張ったことは確かです。でも、まだまだですねー。 今、その時代の僕が頑張った根本的な考えというか、思想はおおげさだけど、それを若いスタッフに伝えることに、正直苦労をしています。 なかなか私の気持ちが社員さんに伝わりにくい。 全ての人に感謝する。 人を誹謗中傷しない。 いつまでもこだわらない。 もっとポジティプに。 そして今自分が現在あるのはだれかのおかげか? 自分ひとりでここまでこれた。上の人のお世話になった事などない等の、おごり高ぶりをすてみなさんと仲良くやっていく。 とにかくこちらの気持ちを考えてくれず、聞いてくれず、トホホ と言う感じでした。 人の悪口を言ったり、いつまでも過去のことにこだわったり。 どんどん進化していかねば。 反省と開拓、エボリューションですね。 |
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お客さんが喜ぶことがなによりもうれしい。 28年前からツーリングクラブを作って、今も続いています。 |
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昔、会社で一生懸命働いている時に寂しくなりましてね。 心のよりどころっていうか?なんのために働いているのかがわからなくなったことがあるんです。 その時に好きな仲間とバイクでツーリングを楽しもう…という活動を始めたんですよ。 それがそのままこの店のツーリングクラブに引き継がれています。 仲間やお客さんが喜んでくれれば、ホントに何にもいらない! 皆と楽しくバイクを走らせられるなら、それでいいって、昔も今もそう思っています。 今は年に6回ぐらい出かけますかね? バイク無しに酒を飲むお花見や芋煮会から、401会、ツーリングなど、ビギナーからベテランまでが、とにかく楽しく遊べることを考え、集まっています。 そうそう、家族ぐるみで参加するお客さんが多いんですよ。うちは―――。 |
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バイクの社会的地位を高めたい! これが究極の目標ですかね? |
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株式会社にしているのもそうです。 社員さんには保険も厚生年金もある会社で働いてもらいたい。 こんな規模なら有限会社で十分なんだけれど、ちょっと背伸びをして株式会社にしています。 社員さんの福利厚生は利益を考えると厳しいし、しんどいけど社員さんに感謝。 個人の店は福利厚生はないから、その方が店のトップは動きやすいかな? でも将来を考えると社員さんがかわいそうだしな。 それと、僕はお金の亡者ではないんです。 お客様への還元、社員さん、その家族、仕入れ、経費、経営と考えるといつも利益が上がる訳ではないし、、、。 もちろん本当に売れないときだってある。 サービスの基本は僕も勉強したんだけど、究極は、、、、、そこに存在することだそうです、意味わかります。 以前ある社員さんにカワサキの研修会に出てもらったり、本で松下幸之助さん「ナショナル創設者」の考え方を読んでもらったりしましたが、答えは否定的かつ、ネガテブな返答でした。 このときは悲しかった・・・。 なんとか解かってもらいたいと、説きましたが無理でした。 この社員さんはどうも自分だけが正しくて人に何か憎しみを持っているようでした。 「今までの生きてきた自分の人生に素直になれない、何かねじれた考えがあるようでした。自分ひとりがここまで成長できたと錯覚した」 まるで本当の意味で感謝せず自分を心をすり減らす、自分本位な考え方。 敵か見方か、、、、人を踏み潰して自分だけが良かったらよい、、、、これでは余りにも寂しいですし、情けない。 こちらは一生懸命社員さんのことを考えているのに、、、、会社が本当にしんどいときがありました。 その為にいくら儲かっても使えない。社員さんは目先の事しか考えてくれない。自分の事しか気にしない。 その向こう向こうの事は何も、、、。 利益がなくては維持できない、経営って本当にしんどくて、厳しいものです。 僕は最終手的には皆さんに還元したい。 喜んでほしい。幸福になってもらいたい。 そして僕も幸せになりたい。 お互い共存共栄していたいから。 これは僕の思いです。 バイクの業界を少しでも他業種の地位と同レベルに持っていきたいし、お客様の手助けにもなりたい。 そのために、これからも微力ながらがんばって行きます。 お客様、社員さん、取り巻く皆様方々。 どうぞよろしくお願い致します。 |
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代表取締役 松澤清隆 | |
バイクに乗っててよかった… という声を聞くために 36年間、頑張ってきたような気がする。 |
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※こちらの記事は『カワサキワールドを支える仲間たち』というコーナーにて掲載されたものです。